萌建築設計工房
 活動日誌 2
  中越地震被災地住宅相談キャラバン隊に、相談員として活動をしました。
2004年11月8・9日
11月8・9日と新潟県小千谷市に「被災地住宅相談キャラバン隊」(国土交通省からの要請)として、行ってまいりました。
地震後2週間が経っているということもあり、意外と住民の方たちは落ち着いているように思えました。
避難所にも物資は十分あるように見え、自衛隊やボランティアの炊き出しや、長野からも絵本のバスが来たり、
散髪をしていたり、お風呂も男女別で毎日入れるようになっていました。
ただ、生活をする場所は相変わらず、プライバシーのない体育館の中で、
かなりの疲労が被災された方に覆いかぶさっていると感じます。

小千谷市役所と総合体育館(避難されている方が体育館で生活しています。)で現地相談いたしました。
相談に来る方は皆さん気丈で、失礼な表現ですが意外と明るく感じました。
雪国の忍耐強さがここにはあります。

私にいったい何ができるのか。
長野を出るときそう思いながら新潟に向かいました。
実際、相談を受け、被害にあった方とお話をして、知りました。
気丈に振舞っていても、どこか曇った表情で相談に皆さんこられます。
建物を見て、意見を交わし、相談を受けていくうちに、相談者の方の表情に変化が起こります。
皆さんの表情に光が現れます。
少しでも、明日への一歩へのきっかけになりたいと願います。


■ 私の日程。
・11月8日
 ・AM4:30 自宅出発。
 ・AM7:30 キャラバン隊本部(大島公民館)到着。
 ・AM8:00 本部出発。
 ・AM9:00 小千谷市市役所到着。相談開始。担当は小千谷市役所
         その場で班分けをし、相談窓口(市役所・総合体育館・中学校など)に移動。
          相談申し込みのあった方の所に、2人一組の班で現地調査。
          移動は基本的に申し込の方の車で送り迎え(迷ったりする時間のロスをなくすため。)
         一日に相談できるのは、5件程度。
 ・PM4:00 現地相談終了。小千谷市集合。
         相談を行った内容をまとめて、係員に提出。
 ・PM5:30 現地解散。
 ・宿泊:キャラバン隊本部の長岡市大島公民館にて宿泊。
      男性は畳、女性は板の間に、毛布を貸していただき、みんなで雑魚寝しました。
11月9日
 ・AM8:00 本部出発。
 ・AM9:00 小千谷市市役所到着。相談開始。担当は総合体育館。          
 ・PM4:00 現地相談終了。小千谷市集合。
 ・PM5:30 現地解散。長野に戻る。

◆活動にあたり思うこと。

■応急危険度判定は全部の地区に行なわれていない。
  ほとんどの人が、住人が何もしなくても、待っていると相談員が来てくれ、建物の診断をしてくれていると思っている。

 今回の相談は、窓口に相談に来た人のみの調査となっているので、この相談の事 知らない人は、
 建物を見にきてくれると思い、かなりの人が相談員をもしくは応急度危険判定士 待っていると思われる。


■応急危険度判定は必ずしも正確ではない。(応急危険度判定もとても重要な活動です。)
  応急危険度判定を住人が正確に認識していない。

 応急危険度判定は、外観のみの目視判断のようで、住人の方と話もしておらず、危険と判断されていても、
  内部に入り調査すると危険でない場合がある。
 あくまでも、危険度判定は震災直後の二次災害を防ぐためのものであり、建物を詳しく調べたものではない。
 しかし、住人の方は、危険と赤紙を張られてしまうと、危険で取り壊すしかないと 思ってしまう人が多いと考える。
 応急危険度判定は建物のすべての判断と思ってしまっている人が多いと感じる。
 応急危険度判定が間違っていた場合、震災で痛んだ心もさらに傷つけることにな 場合がある。 
 赤紙を貼ったところは、優先的にこちらから出向き、建物の相談を受けるべきと思う。
 でないともし判断が間違って、それを信じていると、精神的に計り知れないダメージを与える。
 実際、悲惨な事例もあった。地震以上に心を痛めるようなことがあってはならない。

 
■壊れたり傾いたりしている建物の共通点。
 ・湿気がある。
   敷地の周りはほとんどと言っていいほど、苔が生えていて、水位が高いと感じる。
 ・地盤が緩い。
   地盤がやわらかいために、地盤に沈下したり、滑ったりしたために建物が壊れている。
 ・基礎が弱い。
   無筋・束・アンカーボルト未設置により基礎が破壊している。
 ・瓦屋根。
  同じ地区でも瓦屋根の被害が大きく、鉄板屋根は被害が小さい。
 ・浴室の破壊。
   CB+タイルの浴室は、クラックが入りタイルが割れている。しかし、主要構造的に は問題が無い場合が多い。 

■被害の少ない建物の共通点。
 ・1階コンクリート造 2・3階木造というものが多く、基礎がかなりしっかりしている。
 ・多雪地帯ということもあり、雪の重みに耐えられるよう、構造がしっかりしている。
 ・法規改正後(昭和56年以降)の基準で建てられているもの。
 ・地盤がしっかりしている。

■これから
 本来であれば、相談のあった人だけで無く、地区ごとに担当を決め、全世帯の建を見ることが良いと考える。
 さらに、応急危険度判定が行なわれた地区であれば、赤紙(危険と)判断された建物から、相談すべき。
 応急危険度判定の意味をもっと知らせる必要がある。
 相談に行った人で、報告書をまとめ、今後のために国土交通省? に上げたほうが良い。
 今後、地震後の更なる心と体の被害をなくすために。

                                                            2004,11,11, 池森梢

アンカーボルトがないため、土台と基礎が完全に離れている。 敷地は苔が生えている
向かい左の倉庫は危険な状態
春にz下水道工事をしており、地震により掘ったとこだけが周りよりさらに下がっている。 筋交いがきいて折れている。
一階がつぶされ、二階がそのまま落ちている状態
向かい左部分は下屋だったと考えられ、もともと一体の建物
電柱柱・建物が道路より下がっている土地側に倒れている
束石が地震の際にはずれてしまい、応急的にブロックを入れている。
瓦屋根の重みで余震のたびに傾いている
筋交いが破損
 萌 建築設計工房  長野県須坂市須坂 Tel,Fax 026-232-8036mail E-mail info@moe-a.com